離れの用途をリフォームで変更。
和洋のデザインを融合した生活空間が誕生
東郷町K様邸
DATA
所在地 | 東郷町 | 築年数 | 築50年 |
建物タイプ | 戸建 | 構造 | 在来木造 |
階数 | 1階建 | 工事期間 | 90日間 |
家族構成 | ご夫婦(40代) | ||
リフォーム箇所 | LDK、洋室、クローゼット、浴室、トイレ、洗面脱衣 |
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アイシンリブラン 小野木 慎治
代々、農業を兼業で営んできたK様のご家族。お祖父様からお父様へと受け継がれた住まいは、母屋、離れ、納屋から成り、それぞれの棟が築50年〜70年という在来木造の建物です。
今回リフォームを実施されたのは、ご長男のご夫婦です。同じ敷地で母屋にご両親と弟さん、離れの家にご夫婦が住まわれてきたなか、ご夫婦の生活の場を広げるために、客室から物置と化していた別棟の建物に着目。その間取りや機能を大幅に変更すると同時に、古き良き物を活かしつつ、和洋の融合を空間デザインに取り入れたリフォームとなりました。

リフォームのみどころを解説
増築ではなく、使用頻度の低い既存建物を再利用

もともとはご親戚などが来られたときの客室として建てられた離れの家は、実際には使用頻度が低く、一部は物置となっていました。
生活面積の拡張を望まれていたK様ご夫婦は、当初、増築するべきかどうかお悩みでした。そこで弊社から、この離れを間取り変更することで用途をがらりと刷新するプランをご提案。既存建物を無駄なく有効利用できること、そして増築と比べて予算面も抑えられることから、K様ご夫婦はリフォームを選択されました。

かつて和室6帖だった二間と床の間をLDKに。ここでは廊下の設定を無くし、中庭に面する広縁もLDKに組み込んだことで、のびのびとした広さ充分の空間に生まれ変わりました。
また、天井も高く上げて、古い木造家屋で感じていた圧迫感を解消。とても抜けの良い開放的なLDKとなりました。

天井を高くしたことで出現した既設の梁は、構造的に最低限必要なものだけ残して再利用。キッチンとリビングの境にあたる場所に設置し、空間のアクセントとしています。
また、和室にあった欄間(らんま)も移設し、和洋のイメージを融合するアイテムとして活用。さらに広縁の欄間(らんまと天井もそのまま活かし、和の上質感が際立つ空間デザインとしました。
構造として残す必要のある柱も、部屋の印象にアクセントをもたらす壁とし、デザインを工夫しています。


以前は通気性が悪く、K様いわく「夏のこの場所は熱がこもって灼熱地獄」とのこと。そこで通気性改善のために、TVボードの下に引き違い窓を設けました。
そして、中庭に面するサッシは、全面を断熱性の高いペアガラスのものに変更。外からの暑さ・寒さを防ぎ、室内の快適な温度を逃がしません。
また、天井が高くなったことにも配慮し、床にも断熱材を入れて冬の寒さ対策を強化。部屋の快適性が格段に良くなりました。

かつての床の間は収納庫とクローゼットに変更。大容量な一方、全面の扉が存在感を出し過ぎないよう、木目調にしてLDKの空間にうまく溶け込ませています。

なにかと収納に重宝する冷蔵庫横のパントリーは、壁紙の趣きを変えて遊び心を取り入れました。扉を開けると、一帯の印象がパッと華やぎます。
水廻りを集中配置し、生活の動線を効率化


サニタリーに繋がるフロアは、パソコンデスクを置くなど、多目的なスペースとして利用。


建物の南側に水廻りを集中して配置。
K様ご自身が手配されたウッドデッキと短い距離で繋がり、家事動線を効率良くまとめることができました。