アイシンリブラン リフォーム事例

閉店した老舗麺処を再生し、新たな物語を紡ぐ拠点に。
人々がつながり町の日常をつくる商店群が誕生

名古屋市西区那古野「kaetimachi」

アイシンリブラン リフォーム事例

DATA

所在地 名古屋市 築年数 77年
建物タイプ 一戸建 構造 木造在来
階数 2階建 工事期間
共同設計者 studio36一級建築事務所 サイン・ロゴデザイン KERUN DESIGN OFFICE

リフォームの動機、概要

先代が亡くなったことで惜しまれて閉店した老舗の麺処「浅田屋」。創業以来のかけがえのない歴史、愛着たっぷりな那古野の町、それらを大切にしたいという家族の思いに常連客らの声援も加わり、新しいコンセプトの商店群として再スタートすることとなりました。

1941年創業の「浅田屋」は、名古屋市西区那古野(なごの)の町で長く愛され続けてた老舗麺処。名古屋城にほど近く、四間道(しけみち)や円頓寺(えんどうじ)商店街といった観光スポットに囲まれ、近年は古民家を改装したレストランやカフェが相次いでオープンするなど、注目を集めるエリアにあります。そんな中で浅田屋は、地元の住民や近隣のオフィス街で働く人々の食事処として賑わい、周辺の再開発とは一線を画した日常使いできる名店として貴重な存在でした。

かつての浅田屋の日常

しかし2017年、大黒柱だった二代目店主が76才で亡くなると、残された家族ではお店の維持が難しいと、惜しまれながらも70余年の歴史に幕をも下ろすことに。閉店後は約75㎡あった敷地を更地の駐車場にすること等が検討されましたが、あの味をもう一度というファンの声や、この町の活気づくりに貢献したい、人々が日常で憩う場を無くしたくないという、地域を思う心がご家族の中で日に日に高まり、新たな商業施設として再出発することを決断されました。

旧店舗のあった75㎡の敷地は、新コンセプトの商店群として再出発!

完成予想図

2棟の建物、4つのスペースに構成された商店群としてリニューアル。道路から直接アクセスする路面店「スペースA」のほか、道路から通り土間を抜けた中庭の奥にオーナー飲食店の新装「あさだ屋」。さらに2階の「スペースB」「スペースC」へと続きます。

図面

私がご提案させていただきました

アイシンリブラン 足立 拓哉
足立 拓哉

こだわりポイント

  • 旧浅田屋の面影を残し、物語としての歴史が息づく施設に。
  • 人が集まり、人が繋がる空間として中庭を活用。
  • 那古野の町並みに溶け込みながらも、新しい個性を発揮する空間デザインを実施。

リフォームのみどころを解説

外部・共用広場・通り土間

外部・共用広場・通り土間after

外部・共用広場・通り土間before

旧浅田屋の特徴的なファザードを保存しました。写真左下の通り土間を抜けて、奥の店舗へアクセスします。

外部・共用広場・通り土間beforeafter

床をアスファルトで舗装することで、前面道路との一体感を演出しました。この場所は、旧浅田屋では厨房のあった場所。通路側面の壁は、タイルを含めてかつての厨房の名残りです。現在、絵画や写真の展示スペースとしても活用されています。

外部・共用広場・通り土間after

外部・共用広場・通り土間after

外部・共用広場・通り土間after

前面道路から通り土間を抜けて共用広場へ。その一角に、先代まで使われていた製麺機を、歴史を物語るオブジェとして展示しました。この製麺機は初代から引き継いで使われ続けた100年物で、息の長い商売の象徴となっています。

スペースA テナント飲食店

鉄板dining香音

鉄板dining香音

スペースAは賃貸のテナントとして提供。敷地の活用法を考え出した当初、この地に鉄板焼きの店を出したいという若い夫婦と出会い、その熱意や人柄にかけてみようと商店群の顔となるスペースAを託すことに。肩肘張らないカジュアルで可愛らしい鉄板ダイニングが、通りを行き交う人々の目を引きつけます。

鉄板dining香音

鉄板dining香音

鉄板焼きのカウンターは、席数の確保、厨房設備の収まりを考慮し、斜めの配置が最適と判断。店の入り口から中庭に向けて視線が抜ける構造としました。

鉄板dining香音

空間構成と装飾備品を際立たせるために、内装自体はシンプルなものとしました。客席としてカウンター席、テーブル席、個室を配置して、様々な客層に対応します。

鉄板dining香音

スペースB 女性専用シェアオフィス

NAMOW

NAMOW

NAMOW

2階は女性の企業家や個人事業主のためのコワーキングスペースです。共用スペースは、陽差しがたっぷり注ぐ吹き抜け。梁や柱は旧浅野屋で使われていたものを再利用しました。木の柔らかな素材感に包まれた優しい空間です。

NAMOW

NAMOW

NAMOW

もともと旧浅田屋の2階は、宴会にも使われるお座敷でした。道路に面したスペースは、欄間や木製サッシ、天井には手をつけずに、出来る限り当時の趣を残すことに。窓を開けると下町情緒たっぷりな風景が目に飛び込んできます。
スペースC 女性専用シェアオフィス

NAMOW

NAMOW

NAMOW

スペースCは間仕切りの無い大広間。こちらも女性専用シェアオフィスの設定ですが、物販に限り店舗の出店も可能。イベントにも使える大空間です。
オーナー飲食店

あさだ屋

あさだ屋

復活した「あさだ屋」のオーナー、お母様の伊藤あさ子さんと次女の多田文子さん。二人で無理なく切り盛りできるよう、店の広さは半分以下、席数も12席のみと大幅に縮小し、昼のみの営業となりました。それでも懐かしの味を求めて、連日お客さんで賑わいます。新装開店を迎えた日は、待ちに待ったファンが大勢詰めかけ喜びの声が上がったとか。「町の豊かな日常を、ここに関わる皆さんと一緒に紡いでいけることが嬉しいです」とは文子さんの談。

あさだ屋

あさだ屋

至るところで温もりが感じられる店内。出入り口の扉や欄間など、旧浅田屋の面影を随所に残しています。メニューの額も昔から使われていたものを再利用し、地元の書道家に文字を書いてもらいました。
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