先代の思いを大切に守りたい。
「住み継ぐ家」として生まれ変わった古民家リフォーム。
知立市S様邸
DATA
所在地 | 知立市 | 築年数 | 築70年 |
建物タイプ | 戸建 | 構造 | 在来木造 |
階数 | 1階建 | 工事期間 | 240日間 |
家族構成 | ご夫婦 | ||
リフォーム箇所 | リビング、ダイニング、キッチン、バス、トイレ、洗面脱衣室、玄関ホール、和室、寝室、外構 |
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アイシンリブラン 大岩 俊一
S様の住まいは築70年の木造家屋。今回のリフォームのきっかけは、市の耐震診断を受けたことでした。壁が少ないという日本家屋の特性ため、今の耐震基準では評価が低く、何らかの対応が必要に。その後、建て替えを検討するも、先代から受け継いだこの家をまるっと解体し、一新することに抵抗を感じたとのことで、弊社へご相談がありました。そこで、S様へご提案したのが、昔ながらの家の良さを活かしつつ、今の時代に合った空間デザイン、居住性能の向上を施す古民家リフォーム。この家が積み重ねてきた歴史や個性を損なわずに、新築とは違った価値をもった「住み継ぐ家」として生まれ変わります。


リフォームのみどころを解説
LDK


以前は4部屋あった和室のうち、2部屋と洋室1部屋のスペースを使った大空間LDK。天井を配して吹抜けとしたため、屋根裏だった階層の分も縦空間がぐんと広がり、LDKとしての開放感が際立つようになりました。
キッチンからの眺め

新しいキッチンは奥様のお気に入りの場所。ここに立つとリビングの向こうにお庭の風景が眺められ、季節の移ろいや陽射しのあたたかさを感じられます。
また、以前は部屋で区切られていたため、家の中の空気が滞りがちでしたが、リフォーム後は改善されて風通しが向上。気持ち良さが増した要因のひとつとなっています。
また、以前は部屋で区切られていたため、家の中の空気が滞りがちでしたが、リフォーム後は改善されて風通しが向上。気持ち良さが増した要因のひとつとなっています。
床暖房

面積だけでなく高さも増したLDK。寒さ対策として床暖房を導入しました。冬場は床暖房だけで十分に暖かく「気持ちよすぎて、いつのまにか床に貼り付くように眠っちゃうんだよね(笑)」とはご主人の談。バリアフリーとなったことも相まって、お孫さんらが訪れた際は、広いスペースで元気に遊び回るも良し、皆でのんびり寛ぐも良しで、床上で過ごす時間にとてもご満悦の様子です。
古材の再利用

柱、梁、建具など、この家に備わっていた良い古材をできる限り再利用。LDKの中心に立つ柱は、まさにこの家の立派な大黒柱です。
「この柱は残して欲しいけど、息子や孫の代になったら無くなっちゃうだろうねぇ」とは、奥様の記憶に残る、今は亡きお母様の言葉。
この家にしかない本物の歴史の証ですからぜひ残しましょうと、プランニングの当初から古材利用の方向性が決まりました。あたたかな物語を次世代へ繋ぎ、この家ならではの個性を活かすリフォームを目指しました。
「この柱は残して欲しいけど、息子や孫の代になったら無くなっちゃうだろうねぇ」とは、奥様の記憶に残る、今は亡きお母様の言葉。
この家にしかない本物の歴史の証ですからぜひ残しましょうと、プランニングの当初から古材利用の方向性が決まりました。あたたかな物語を次世代へ繋ぎ、この家ならではの個性を活かすリフォームを目指しました。

調度品の数々も、S様邸に残されていたものを再利用。ダイニングテーブルは25年以上前からこの家にあるものですが、新しくなったダイニングエリアの雰囲気とマッチして、古さを感じさせません。まるで古民家レストランのようなお洒落なイメージが醸し出されています。なお、扉の奥が大容量のパントリー。漆喰の壁が適度な湿度調整の役目を果たしています。
屋根裏の遊び場


屋根裏だったスペースを利用して、お孫さんの遊び場を設けました。壁で囲うと窮屈さがでてしまうので、安全面を考慮しつつ、あえて柵で覆うのみに。ここから広々としたLDKを一望できます。
シアタールーム


一方で、S様(特にご主人様)が抱いていた住まいの夢も実現しています。こちらは寝室と隣接したシアタールーム。大画面テレビの他、巻き上げ式スクリーンと天井設置のプロジェクターや音響システムも完備。心置きなく楽しめる贅沢なプライベート映画館です。
露天風呂


そして以前からご主人の念願だった露天風呂も、このリフォームを機に新設。夜のライティングや植栽の配置にもこだわり、眺めの良さとラグジュアリー感を演出しました。寝室を挟んだかたちで露天風呂、シアタールームが並び、この一帯がとても贅沢な空間となっています。

露天風呂を囲う目隠し格子には開閉式の下窓を設け、湯船でお湯に浸かりながら庭を眺められるようにしました。


葺き替えた後の古い屋根瓦も、小端立て(こばだて)にして、露天風呂の周りや庭のデザインに再利用。夜間照明の効果もあって、夕暮れのS様邸は、まるで隠れ家的な温泉旅館のような佇まいをみせます。

改善された家事動線

以前はいくつもの部屋を渡って動かなければならなかった奥様の家事動線も、今回のリフォームで大幅に改善されました。特にお洗濯は、十分な広さが確保された洗濯の家事コーナーが、脱衣ルームや物干しのスペースと繋がり、動線の無駄が無くなったことでとても便利になったとか。
また、リフォーム前は玄関横の軒先で干していたため、来客時に洗濯物がひと目に触れてしまっていましたが、露天風呂と共に格子で覆い、外からの視線を遮るようにしました。
また、リフォーム前は玄関横の軒先で干していたため、来客時に洗濯物がひと目に触れてしまっていましたが、露天風呂と共に格子で覆い、外からの視線を遮るようにしました。
和室

仏間のある和室は先代の面影を残すように、畳替えや襖の張り替えなど、限定的なリフォームに留めています。
「これからますます家が栄えそうです」

S様邸に元来備わっていた特性や利点、確かな歴史が刻まれた素材をを活かし、完全に変えなくとも暮らしの快適性や耐震等の機能性を向上させるリフォームを実現しました。それは外見上の装いをもとめた“古民家風”ではなく、受け継がれるべき物語がしっかり根付いた「我が家の良さを再確認できるリフォーム」とも言えそうです。
そこにシアタールームや露天風呂など、新たな価値・楽しさも加わったため、お子様の家族やご友人などもぜひ味わせてほしいと、頻繁に人が集まり、皆がのんびりとした時間を過ごせる家になったとか。「これからますます家が栄えそうです」と嬉しそうにお話するS様ご夫婦です。
そこにシアタールームや露天風呂など、新たな価値・楽しさも加わったため、お子様の家族やご友人などもぜひ味わせてほしいと、頻繁に人が集まり、皆がのんびりとした時間を過ごせる家になったとか。「これからますます家が栄えそうです」と嬉しそうにお話するS様ご夫婦です。